鍼灸治療
鍼灸治療ってどんなもの?
鍼灸が腰痛や肩こりに効果的であることは、一般的にも知られています。実際に、鍼灸治療やマッサージを受ける患者さんの多くは、何らかの痛みを抱えておられます。 病院を受診しても、なかなか痛みが改善しないため、西洋医学的な治療以外の方法を模索し、疼痛改善を図る患者さんも少なくありません。鍼灸治療もその1つであり、近年、メディアに取り上げられる機会も増え、徐々にその効果が注目を集めています。
鍼灸の効果
1. 痛みを和らげる効果
鍼灸刺激によって、神経伝達物質であるβエンドルフィンが体内で放出され、体内で痛みを抑制するシステムが働いた結果、痛みが軽減・改善されます。また、硬くなった筋肉を直接、刺激すると、血管が拡張し、血流が良くなります。
血流が改善され、蓄積されていた発痛物質が流されることで痛みが軽減すると考えられます。
2. 自律神経を調整する効果
鍼灸治療は自律神経の調整にも効果的です。自律神経は交感神経(アクセルの役割)と副交感神経(ブレーキの役割)という2つの神経で、胃腸や心臓、血管に作用し、主に内臓機能を正常に保つ働きをしています。
私たちが、無意識に行っている、呼吸や心臓の拍動、消化・吸収、ホルモン分泌などの生命活動は自律神経の働きによるものです。残念ながら、自律神経のバランスは目に見えるものではありません。日常生活の中で無意識にストレスを溜め込むことで、自律神経のバランスが崩れ、様々な症状を引き起こします。
全身的な症状としては、
全身倦怠感、睡眠の問題(寝付けない、何度も目覚める)、下痢や便秘、頭痛、めまい、耳鳴り、冷えなど。
精神的な症状としては、イライラ感、不安感、やる気が起きない、いつもネガティブなことを考えてしまう、気持ちにムラがあり疲れる、うつ、など。
「毎日を明るく、前向きに、元気に過ごす」ためには、「自律神経のバランスを整える行動や考え方」がPointです。鍼灸の優しい刺激で、自律神経を調え、自己免疫力を高めるお手伝いを致します。
鍼について
「鍼は痛そうだし、やっぱり怖い」このような印象から敬遠されがちな鍼。しかし、病院の採血で使われる注射針の太さが0.8mm程度であるのに対し、鍼灸の鍼は、0.12~0.30mmと毛髪程度の細さです。
ですので、お顔やお身体の部位によって、チクッ感じる程度とお考え下さい。また、鍼は完全滅菌された使い捨てですので、感染の心配もありません。安心して、心地良く施術を受けて頂くためにも、気になる点は何でもご相談下さい。
お灸について
「冷えは万病の元」といわれるように、お身体の冷えは様々な不調を引き起こします。お灸に興味があっても「お灸は熱そうだし、痕が残らないか心配」と不安に感じる方もいらっしゃいます。当院では、箱灸や台座灸などを使用し、治療者が熱量の調整を行いながら施灸致します。 火傷や痕を残すことなく、安心してお灸の心地良さを感じて頂けます。ただ、感覚には個人差がありますので、熱量の調整につきましては一切、我慢されることなく、何でもお申しつけ下さい。直ぐに対応させて頂きます。
副作用について
鍼灸治療後に、身体が怠くなる、眠くなる、症状が一時的に強くなる、血流が良くなることで気分不良、嘔気が起こる、血圧が一時的に下がるなどの症状が起こる可能性があります。これは瞑眩(めんげん)と呼ばれ、治癒過程で出現することが殆どで、半日から1日程度で消失します。しかし、鍼や灸の刺激量過多が原因で起こる場合もございます。 特に初めてのお客様には、事前の説明を十分に行った上で刺激量を調整しながら施術させて頂きます。副作用に関し、少しでも不安や疑問点がございましたら、遠慮なくお尋ね下さい。
鍼灸の特徴と当院のスタンス
東洋医学、最大の特徴は「人間そのものを観る」こと、「心・精神」と「身体」を一体として捉えるところにあります。鍼灸治療では「身体」のみならず、「心・精神」も施術対象であると考えます。その両面にfocusする根本的な考え方は、「観るべきは疾患ではなく、その心、その人である」 此処に至ります。
- 仕事や人間関係のストレスで前向きになれない
- 1時間でもいいから熟睡したい
- いつも疲れ切っている。
本来の元気を取り戻したい - 毎朝、起きるのが辛く、食欲もあまりない
- 少しでも痛みを忘れた生活がしたい
- 気軽に身体の相談できる、
かかりつけ医のような存在が身近に居てくれたら
など、よく耳にします。この様な、お辛い症状を抱え、悩んでおられる皆さんにこそ、鍼灸治療に触れ、体感し、慣れ親しんで頂きたいのです。「自然治癒力を引き出す」「自己免疫力を高める」鍼灸は、人が備え持つ本来の力を発揮し易くします。
施術者の「必ず良くなって頂くんだ」という想い、そして「必ず良くなる!元気になるんだ!」とお客様に信じて頂く心。この思いが共感し合った時、効果が自然と湧き出てくるのだと思います。
「とりあえず蒼佑に行けば何とかなるさ!」そんな風に思って頂ける、お客様の強い味方として、また、お客様と一緒に治る力を引き出す存在としてお役に立てれば幸いです。
鍼灸治療院 蒼佑は、
「お客様本位」「観るべきは、その心、そのお方」
この理念の下、お客様、お一人おひとりと向き合い、前向きな人生のサポートをしてまいります。
鍼灸治療の適応
現在、WHO(世界保健機関)において、鍼灸治療の適応とされている疾患は多岐に渡ります。
運動器疾患 | 肩こり、五十肩、腰痛、頚椎症、変形性膝関節症、腱鞘炎、テニス肘 etc. |
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消化器・呼吸器疾患 | 便秘、下痢、痔疾、慢性胃炎、食欲不振、気管支喘息、鼻炎、感冒、扁桃炎 etc. |
疼痛性疾患 | 頭痛、坐骨神経痛、術後疼痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛 etc. |
循環器疾患 | 低血圧症に伴う諸症状、冷え症、本態性高血圧症 etc. |
泌尿器・産婦人科系疾患 | 月経異常、更年期障害、逆子、不妊、インポテンス、失禁症 etc. |
感覚器系疾患 | 仮性近視、眼精疲労、メニエール病、耳鳴り、難聴 etc. |
小児疾患 | 夜尿症、小児神経症、消化不良 etc. |
その他 | 不眠症、肥満、自律神経失調症、片麻痺、顔面神経麻痺、アレルギー疾患 etc. |
上記以外にも、様々な疾患に関する臨床研究が数多く進められています。慢性痛や線維筋痛症、神経性の痛み、パーキンソン病、脳血管疾患の後遺症、認知症、閉塞性動脈硬化症(Ⅰ度、Ⅱ度)なども、症状改善が期待できる疾患として、鍼灸治療も選択肢の1つとなっています。
鍼灸治療の活用場面
プロスポーツ選手のコンディショニング
プロスポーツの第一線で活躍するためには、身体のケアは欠かせません。痛みの改善や怪我の予防、アフターケアなど、パフォーマンスを高める手段として世界的にも活用されています。メジャーリーグのダルビッシュ有投手が煙の出ないお灸を活用し、「お灸のお陰でシーズンを通じ活躍できた」とSNSで発信したことも大きな話題となりました。
美容鍼灸
お顔だけでなく、お身体にも部分的な鍼灸を行い、身体全体を調えることで、お顔の肌トラブルやシワ・クマ・たるみなどの改善を図ります。最近では、その効果をSNSにupする芸能人も多く、身体の鍼灸治療以上に広い層に認知されるようになっています。
介護施設
誤嚥性肺炎や認知症や転倒などの予防対策として主に刺さない鍼を取り入れる施設も増えています。
他にも、
・緩和医療現場での疼痛除去
・透析患者さんの痛みや自律神経症状の緩和
・在宅医療現場
など様々な場面で取り入れられています。